劇場という空間。

よしもとの持ち劇場、品川プリンスシアターと京橋花月の11月いっぱいでの閉館が公表された、先日。正直、初夏に噂が出た時点である程度覚悟はしてたつもりだけど、公式発表はやはりショック。感情的な感想と理性的な分析が自分の中でも混在しているところですが、ちょこっと思うところを。

  • 個人的には、品川はほんとに便利でよく行っていたので、閉館は痛手。新幹線までの時間を自分のスピードで測れるところが、遅い時間の公演には非常にありがたかった。最終新幹線を狙ってそこまでが電車だと、多少の余裕はみておかないとこわいので、タイムリミットが早めになってしまう。具体的に、たとえば19時スタートのセカハテの会場が無限大やルミネだと、ラストまでいられるかが微妙になる感じ。
  • 京橋花月は、実は意外に行きつけていないのだけど、最初に思ったのは、関西でやる単独はどこになるの? という不安。関西でのネタ出番の抱き合わせは祇園になるのかもだけど、難波→祇園が結構遠いってことは、関西わんきゃんで承知してるよね・・?
  • なぜ品川と京橋なのか。私的な憶測。
    • とりあえず品川は、立地的に、契約料が高そう。京橋も、そこそこ駅が近いし。
    • 新規開拓だから、お笑いファンになじみがなかった。・・そこにチャレンジしようとしたんだろうけど。
    • 周辺が繁華街・観光地ではないから、通りすがりにふらっと入るお客さんを見込めない。
    • 施設が新しいから、次の借り手が見つけやすそう。

ぶっちゃけ、京橋なら演劇の劇場としても成立する気がする、というのが観てる側の勝手な印象。お笑いライブを観るようになって、よしもとの劇場の立地便利だな、お芝居の劇場は駅から離れてること多いのに、と思うことがあって分かってきたのは、お笑いとお芝居って、当日券の比率が違うんだろうな、ということ。お芝居って基本、前日までにチケット取って、当日行って座って観る、てパターンなんだけど、お笑い(単独やイベントではなく、新喜劇やネタ系)って、通りかかって呼び込みや看板見てふらっと入る、てひとが、結構多いように感じる。実際、職場の先輩で、浅草観光してたときに浅草花月の呼び込みにチラシもらって観に行ったってひといたし。それを考えると、品川京橋はハンデが大きかったのかな、と(品川は、ホテル宿泊者当日券割引とかあったけど)。あとは、神保町も微妙だけど、あそこはオリジナリティが明確だからいいのかな・・街と合ってるのかも。
あと、これはわがままだけど残念なのは、快適な劇場ふたつがなくなっちゃうなあ、てところ。観客的には、座席とか化粧室とか、新旧でどうしても差が出る。設備的な面で、関西ワンキャンのときに祇園で機材トラブったの見て、企画に障害が出る不安もよぎったり。

東京のワンキャンのときに思ったこと、再掲ですが。
→なんとなく、劇場撤退の噂と前後しての企画だったから、今後を見込んだ会場テストなのかな、と邪推してみたりも。同じくらいのキャパの劇場をいくつか稼動させるより、企画に見合ったキャパの会場をその都度借りる方が効率的なのかな、とか。ただ、持ち劇場じゃないと実験的な企画は難しいと思うので、なんとか継続してほしいものです。
大塚とかレッドペッパーとか巡って、集客の見込みと企画の意図と劇場のキャパのすり合わせ、ということを、ふと。結局、継続はままならなかったのだけれど、オールナイトとかフロア使ったイベントとか、いろんな形態で稼動していたイメージなので、そういうチャレンジはどこにいっちゃうのかな、という心配が、いまだに。今のところ代替案が出ていないので、12月以降あるいは年明けのイベントがどこになるのか気になるところ。劇場が固定の借主にならないなら、期間借りで継続する可能性もなくはないと思うけど、難しいのかな。