中田敦彦分析月間。

3月に入って2月履歴もまとめどきですが、その前にピックアップ。
2月はなぜだか、あっちゃんの分析企画が2つ重なって興味深かったので、その話など。
(個人的に興味がなくない分野なので、少々こむずかしっぽいこと言ってますが、素人なので根拠はありません・・ご容赦を)


ひとつめはテレビ番組「KOZY'S NIGHT 負け犬勝ち犬」での「サイコパス診断」。
ふたつめはライブイベント「名越先生の中田敦彦を丸裸」。


ざっくり比べて、サイコパス診断と名越先生分析の大きな違いは、1対5か、1対1か、というところ。
なんとなくあっちゃんって、考えよう、とか、考えまい、とか思うより先に、脳が計算してしまう傾向が強いタイプな気がする。そういうひとは、サイコパス診断みたいに被験者が複数だったり筆記回答だと、何らかの計算が働く余地ができちゃうのではないかと。
サイコパス診断の矢幡先生も、本来は会話しながら診断するもの、て言ってらしたし、その点、マンツーマンで相対した名越先生のやり方は、実際にのっとった形式だったと思われる(人前という点は異様だろうけど)。名越先生、あっちゃんの計算の速さを見越したうえで、「(脳が計算してはじきだした)答えの内容」よりも、「計算する瞬間の反応」を重点的に観察してたような。表情とか、しぐさとか。「その体勢が上から目線」「(反省の弁のあっちゃんに)本気で悪いと思ってないでしょ」と瞬発的に指摘して、さらにその反応を見ているような。
ふたつの診断で差が出たのは、そのあたりが要因かな。


人間だれしも、自分のイメージする自分があって、とっさにそれを演出してしまうもの。ほんとうの自分より、よく見せたり、逆に下に見せかけたり。その演出を、会話を通して反応をみていくことで暴いていくのが、精神分析なのかもしれないな、と思った。
そういう意味で、慎吾くんを対象とすることはこわくもあり、それ以上にとても興味がある。あっちゃんが計算で本性を見えなくさせているのに対して、慎吾くんは、演出が板につきすぎて目眩ましになっている気がする、というのが私の感覚。慎吾くんはどのくらい自覚的なんだろう、そしてそれを暴くことってできるんだろうか。


サイコパス診断@KOZY'S NIGHT負け犬勝ち犬

サイコパス診断は、MCの今田さん東野さん、ケンコバさんにオリラジ二人が被験者。あっちゃんターゲット感、そして慎吾バーター感のオープニングトーク
診断は、質問に答えて診断するシステム。審査は臨床心理士矢幡洋先生。
1.サイコパステスト。20個の質問に三択で答える。YESに近い=点数が高いほどサイコパス度が高い。

2.描画問題。無人島のイメージを絵に描く。サイコパスの世界観=人間不信を測る。シビア感が強いほどサイコパス度が高い。

  • あっちゃん。サイコパス度80。壊れた船、資源がない、全貌が見えない、天候も悪い。周りは甘くない、人間不信が如実に現れた絵。
  • しんご。サイコパス度15。リゾート地な無人島。外に出れば周り皆いいひと、他人の好意をあてにしている。アマチャン。

3.サイコパステスト四択の1。銀行強盗が入ってきたときの対応。

  • オリは二人とも「命令に従って目立たないようにする」。ひとの油断や隙を見抜こうとする思考ほどサイコパス度が高い。というわけで、オリは二人とも低め。
  • あっちゃん。日本での銀行強盗の成功率は低い。銀行側もマニュアルで対応済みのはず。自分にできることは、事件が大きくならないように、おとなしく言うことを聞いておく。
  • しんご。誰かなんとかしてくれるでしょ。←隣から「依存者w」の声。

4.サイコパステスト四択の2。隣のクラスの保健委員の女子が好きな自分、ライバルの同級生を殴った理由は?

  • あっちゃん「同級生にケガをさせれば保健委員の子に会えるから」、理由、きっかけができる。サイコパス度1位。選択肢作った先生も、ないと思った選択。欲望一直線。
  • しんご「自分の方が強いことをアピール」、理由、お調子者、目立つ。こちらはサイコパス度低い。

5.サイコパステスト実演。100万円貸して、と頼む。実演を見て診断。

  • あっちゃん。母が事故で、特別な治療のために早急に必要。定期を解約できるまで貸してほしい。←泣き落とし型はサイコパス度低め。
  • しんご。お店を出すのに1000万必要、900万準備できてるから残りを。来月には返せる。←サイコパス度1位。利益誘導。ひとは欲で行動する、という認識をしている。

6.サイコパステスト工作。粘土で、下から長方形、球、花の形で、花を表現する。

  • あっちゃん。シンプルにいっこずつ、長方形、球、花。←サイコパス度低。ルール厳守。
  • しんご。長方形部分をプランターに、球、花。←サイコパス度中。抜け道を探す傾向もありつつ。

というわけで、オリは二人ともサイコパス度は低め。あっちゃんの1問目3点は疑わしい気がちょっとしたけどw、終わってみれば先輩方の方が激しかった・・というか、東野さんダントツの印象ww
ざくっとまとめたけど、描画問題のコンビ対照的っぷりと、銀行強盗対応問題での共通した冷静さが、オリラジっぽいなあ、と思ったサイコパス診断でした。描画問題とか、考え以外に画力が影響する気もしなくもないけどw、これとか工作問題とか、意外な人格が見えて面白かった。コンビで呼んでくれてさんきゅーです☆


名越先生の中田敦彦を丸裸!@無限大ホール

今までもいろんなよしもと芸人さんを分析してきました、という、名越先生シリーズのライブ。MCの相方を含め、中田敦彦をよく知っているひとたちからの「こんな人」エピソードをもとに、その場で本人に話も聴きながら、中田敦彦がどういった人物かを名越先生が分析する、という趣旨の60分間。


冒頭、慎吾が登場して、名越先生を招き入れて、被験者あっちゃん登場、という順番。名越先生、登場したところで自信ない発言。オリラジのネタ考えてるのあっちゃんでしょ、DVD見てこわかった、と。
そこから登場したあっちゃんは、「最終的に、中田さんは普通でした、となることを望んでいる。クレイジーなのはあなたたち(慎吾と観客w)だ!と高笑いして帰る」と宣言。


以下、詳細ネタバレにつき一応隠します。

早い段階で、「こういう仕事するなら、まず先入観で『こういう人間だ』、と宣言すること。だんだん知っていこう、という考えは向かない。色眼鏡で見ている、と分かった上での宣言が必要」と精神科医ポリシーを述べたあと、あっちゃんへのラベリングは「ド変態」ww 慎吾「結論出ました! これで終わり!」www


以下、まとめで。

  • 一人でいることを好む。ルミネの楽屋からいなくなって喫茶店に行って、名「なにしてるんですか?」敦「手帳に会った人やできごとをメモしてるんです、忘れっぽいので」。ずっと続いてる習慣。こういう、記録を取る習性は、事務屋のもの。地味を好む。でも、芸人という個性の集まりから外れることで個性を強調している面もあって、そこは相反している。
  • ひとには誰しも二面性があるけど、そのふたつがくっつきやすいひととくっつきにくいひとがある。あっちゃんの場合は、「事務屋」と「鉄板ナルシスト」。このふたつはとてもくっつきにくい。
  • 自分は何者か。相方のチャラ男は原色のキャラクタ。分かりやすい。しかし、分かりやすければいいとも限らない。分かりにくいキャラだなあ、が定着すれば、唯一無二のキャラクタになることもありうる。
  • 天才か犯罪者か、を心配するしんご。そのタイプだけど、名「よしもとに入ったから大丈夫、よしもとは変態の集まりだから」w
  • 年を取ると性欲が強くなるタイプ。視覚的なものに惹かれる。あっちゃんの最近の妄想談議に、名「こういう仕事してるから、話を聞くときは相手に寄り添おうとするけど、さすがに拒絶反応が」
  • 美意識が強い。女性タレントのいじりに切れることがある、という報告。自分の中でキレる基準は一貫しているけど、周囲からは分からない。
  • それでいて、恋人の影響を受けやすい。後半で出てきたこの報告、名越先生いわく「今までで見えてきたものを補強するもの」。意外そうなオリ二人。名「実は自分が弱い、ということを知っているから、影響を受ける。通りすがりの異性に対して、秘密をぽろりと口にしてしまったりするタイプ」
  • 60分間の分析を終えて、名越先生の「中田敦彦とは」=「ロマン人間」。ロマンスにあらず、ロマンチスト。
  • しあわせになる方法を知りたい、というあっちゃんに対して、しあわせになる方法を知るにはまず、どちらをめざすか選ばなければならない、と名越先生。穏やかを望むか、波乱を望むか。両方を手に入れることはできない。
  • あっちゃんいわく「利休」と「秀吉」。秀吉のように派手を望むときもあれば、黒茶碗の渋さを求めるときもある。どちらかを選ぶことができない。
  • どちらを主軸にするか。秀吉を主軸に、休息として利休があってもいいでしょう、という折衷案。


二面性がある、ということは、あっちゃんの中で「秀吉と利休」というネーミングで自覚していた模様。分析で明らかになったこととしては、「二面性があって、そのふたつが相容れにくいもの」であるということと、「両方を手に入れようとすることは、しあわせにつながらない」ということ。これが明確に言語化されたことは、収穫だと思う(←ファンぽくない目線)。明確に言語化されると、解決はしないけど、すこし、落ち着く。精神分析って、そういうものではなかろうか、と。
ただ、個人的にはそのうえで、まだまだ迷って足掻いてほしい気持ちはある。芸人としては「秀吉」であってほしいし、でもあっちゃんの幸せも望んではいるから「利休」を捨て去ってほしくもないのだけど、30歳前でばしっとどちらか選択して一方を切り捨てる、というのはなんだか、さみしい気がして。ファンだから買いかぶりは承知で言っちゃうと、迷った先の唯一無二に期待したい。まあ、ファンだから、てそれを求めるのは逆に、残酷なのかもしれないけど。


ところで、後日の無限大で、ロマン人間がよく分からない、と言ってたけど(そのとき「ロマンチストじゃない」て言ってたけど「ロマンチスト」は合ってるんじゃないかな。「ロマンスじゃない」て名越先生は言ってらしたような記憶)、私はなんとなくわかるような気がした。
人間、年取ると、いろいろ経験して割り切った考えになっていくと思うんだけど、あっちゃんの中の一部分に、とても幼い絶対感がある気がする。なんでも手に入れられそうな、望んだら叶いそうな。もちろんそんなのあるわけないことは知ってて、日常の振舞いは十分に大人なんだけど、垣間見えるような。そういうところからの「ロマン人間」てワードなのかな、と。


ライブとして、中田エピソード自体は聞いたことのある話が多かったけど、そこから名越先生の分析を通して見えてくるものが新鮮で、なんだかどきどきした。プロにみてもらう、というのは面白い。そして、オリ二人も言ってたけど、それがエンタテインメントになる、というのも意外だった。60分があっという間で、ほかにもエピソードあったみたいだし、あと1時間くらい時間が欲しかったなあ。そして、次はぜひ慎吾の分析も観てみたい!と思うライブでした。